断酒会とは・・・
誰にでも酒をやめるようにすすめたり、また世の中から一切のアルコール類をなくしてしまおうという会ではありません。世間には酒を美味しく飲んでいる人も多いのですが、たまたま酒を飲むと家族に暴力を振ったり人と争ったりする人もいます。また、二日酔いのため欠勤したり、仕事を休みがちになる方もいます。つまり、酒好きだが、酒に飲まれてしまう体質の方もいるのです。本人はそのことに気付かないし、人の意見を聞こうとしません。
家族の方へ・・・
今まで御主人の飲酒によって家族の方は散々苦しみ悩まされ、疲れ切ったことでしょう。他の病気なら、主として本人自身が苦しむだけですが、アルコール症の場合は、むしろ家族の迷惑や苦労が大きいものです。それで、つい「主人さえ酒をやめてくれたら・・・・」とか「家族のことを考えたら、酒など飲めないはずなのに・・・・」とグチをこぼす奥さんが多いのです。こんな被害者意識だけが、ますます本人を酒に追いやる結果になってしまいます。
アルコール症は、本人の「心の病」に違いありませんが、また「家族の病気」とも言われております。この病気をなおすには、本人の自覚と共に家族の方、特に奥さんの考え方を変え、積極的に御主人の断酒に協力していただかなくては成功いたしません。
❝酒害者の妻は最大の被害者であるが、最良の治療者でもある”と言われております。❝酒に対しては冷たい愛情を、その他については今まで以上の暖かい愛情を”という態度でこれからの御主人を見守ってください。
そし例会出席にはご主人をリードするようにして同伴してください。
本会では過去25年の実績を見ますと、奥さんが熱心に御主人の断酒に協力して成功しているケースが一番多いのです。
*家族(妻・夫・子・孫など)と本人(酒害者)が幸せになるために!
《ホトトギス会レジュメより転載》
*断酒会員はすべて平等です。
例会参加のみなさんへ
・例会は「自らの体験談を話す場」です。
・自らの酒害体験に関することを話しましょう。
体験談とは何を話せばいいのでしょう。断酒会が大切にしてきたことは「自らの酒害」について語ることです。また、自らの酒害に関することなら「生育歴」や「断酒継続体験」「追体験」を語ることも必要です。
・体験談は「言いっぱなし、聞きっぱなし」です。安全な例会の場を確保しましょう。発言者に対する、コメントやアドバイスは原則禁止です。飲酒時代にどうしてもやめられなかった酒をなぜやめられているのでしょう。医師や家族の説得で酒がやめられたでしょうか。
断酒会員や家族が語る体験談からさまざまな「気付き」を得て、自らの酒害を感じ取り、断酒継続ができたのではないでしょうか。もし、悩みや疑問等が話されたなら、自らの継続体験談として話しましょう。例会で断酒理論やお説教をする必要はありません。例会は、それぞれが語り、聞き、さまざまな気づきを得る場だからです。
また、例会は安全な場であることも大切です。それぞれが語る内容は、その場で、しまってあげましょう。
たとえ間違ったことが語られても、例会では聞いてあげましょう。今日は気づかなくても明日気づくかもしれません。
例会では、「体験談は批判されないし、批判しない」「その場で話されたことはその場でしまわれる」ことを大切にしています。
・例会では率直に、素直に自らを語りましょう。
率直に語るということは、ありのままの自分を語るということです。ありのままの自分を素直に語ることで、飲酒時代の自らが再現されます。その姿をイメージして、感じ取って、「飲むのか、やめるのか」を自己決定しています。
全日本断酒連盟刊行物・《よりよい断酒生活を送るためにより》 抜粋